図鑑③ 物事の焦点をとらえられない上司
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中堅保険会社 N損害保険 4月1日付の異動の内示&社内発表は1ヶ月前の2月末に行われる。
同社に限らず社内異動はサラリーマンにとっての一大イベント。
本店企画部門や開発部門に異動になれば将来が開ける。
管理部門に異動になれば 将来の大きな出世はないが、管理部門はガバナンスにおいて必要な部署であり、会社が間違った方向に行かないようにする、という重大な責務があるため、そこそこの部署と考えてよい。
自身がどこに異動になるのかはもちろんであるが、ライバル社員がどこに異動になるのか、いままで「ずっと下」と思っていたやつがいきなり上に行ってしまう、なんて事も珍し話ではない。
ひきこもごもの人間模様。
問題はどうしようもない社員が送り込まれる吐き溜め部署、社員もダメなら課長も部長もみんなだめ。
N損害保険 品質管理部もそんな部署である。
品質管理部といえば聞こえが良いかもしれないが、やっている事は苦情やそれ以外の顧客の声(N保険会社では「ご指摘」と呼んでいる)の管理。
品質管理部には直接お客様からの問い合わせを受けるお客様相談センターと全社の苦情を受付管理する管理課がある。
4月1日付異動 品質管理部長として異動してきた田辺部長、品質管理部に異動してきただけあってどうしようもない。
まず内示が2月末、4月1日異動でありその間1ケ月間あり。異動といっても同じビルの同じフロアでの異動、歩いて2分の距離であるにも関わらず、異動の発表があってから田辺部長は品質管理部へは一度も顔を出さない。1本メールで「みなさん4月からよろしく」とあっただけ。
同時期に担当役員も変わり、担当役員は発表になって早々に「みんなこれからよろしくね」と品質管理部に足を運ん来た。役員がきても部長は来ない。
当然 品質管理部に所属する社員としては「今度来る部長は歩いて2分の距離なのに挨拶に来ない、役員は来るのにな、今まで歩いて2分の距離を挨拶にこなかった社員はいないよな」と。
品質管理部=苦情受付管理部署であり、常に苦情を言う人の立場にたって物事を考えなければいけない部署であるにもかかわらず、部長が2分の距離の挨拶に来ない。社員がどう思うか考えたりしないのかな。やはりこんな吐き溜め部署に来る部長だからこんなもんか、と。
そして4月1日異動 田辺部長のもとで業務を開始したが この部長がいう事は「誤字脱字がある」「この文章は言葉使いが変だ」「タスク一覧をエクセルでまとめろ」などなどほとんどいちゃもん。異動後半年経過してもこんなことばかり。
部長なのだから部の方針、部の方向性などを示してほしいのだがそんなものは何もなく、しょうもない細かい枝葉の指摘ばかり。
これじゃあ部下はたまったもんじゃない。「もう勘弁してくれ」と思うが、さすがは吐き溜め部長、そんなことは気にする様子もなく、自身の思うがままどうでもよいことを突っ込んでくる毎日。
この部長 ナルシスト、自信はあるようであり、周囲からバカにされるのは我慢ならない様子。かといって物事の焦点をとらえることなどできず、細かいどうでもよい事ばかり突っ込みをいれて「俺の指摘はすごいだろう!」的な感じである。
繰り返すがこれじゃあ部下はたまったものではない。短い期間で異動しまくっている田辺部長、部下が「何とかしてくれ」と役員に懇願した、という話は本当なのだな、と。
「ピーターの法則」をご存じだろうか。能力主義の階級社会において、誰もが有能さを発揮できていた地位から、無能ぶりを露呈することになる限界の地位まで昇進させられることにより、組織全体が無能な組織になることをいう。
田辺部長は「ピーターの法則」とか意識したことないんだろうな、とつくづく思う。部長としての能力は無いにも関わらず部長職に就いてしまって、「俺は部長だ、能力は高いし、偉いんだ」と。
ただサラリーマン社会はおしなべてこんな感じである。
結局そういう私もサラリーマンをやっているのだから田辺部長と何も変わらないんだよな。
おしまい。